雪化粧をした道光神社の境内にある「寿喜伊山神」の石碑を見つめる大日方事務局長

雪化粧をした道光神社の境内にある「寿喜伊山神」の石碑を見つめる大日方事務局長

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菅平にスキーの神様 冬季限定、朱印状に「寿喜伊山神」

信濃毎日新聞(2016年12月23日)

 上田市菅平高原の道光(どうこう)神社境内に、「スキーの神」として知られる「寿喜伊(すきい)山神(さんじん、やまのかみ)」の石碑がある。地元住民らが1931(昭和6)年に日本のスキー文化の発展を願い建立し、周囲の山々に雪をもたらす神として祭られてきた。だが、長い年月を経て「なぜ立っているか知らない人も多い」と菅平高原観光協会の大日方孝事務局長(61)。来年12月には同高原にスキー場ができて90周年の節目を迎えることもあり、スキーの神が改めて注目されることに期待している。

 石碑は高さ約170センチで、土台を含めると成人男性が見上げるほど。同神社の宮司を務める押森慎(まこと)さん(33)や同協会によると、文字を揮毫(きごう)したのは松代(現長野市松代町)出身の軍人堀内文次郎。日本に初めてスキー技術を伝えた旧オーストリア・ハンガリー帝国のレルヒ少佐(1869〜1945年)からスキーを直接教わった人物という。

 菅平に初めてスキー場ができたのは1927(昭和2)年。30年にオーストリアの名スキーヤー、ハンネス・シュナイダー(1890〜1955年)が訪れて絶賛した。これを機に「菅平」の名は全国に知られるようになり、翌年に石碑が建立。スキーの神は観光地として隆盛を極めた菅平を草創期から見守ってきたことになる。

 同協会によると、33年には「寿喜伊山神」の名にちなんだ「雪の大祭寿喜伊山神祭典」というイベントが菅平で催された記録がある。だが、後世には十分に浸透しなかったようだ。珍しい神について知ってほしい―と、山家神社(上田市真田町長(おさ))の宮司でもある押森さんは今年から同神社で授与を始めた道光神社の朱印状に、冬季限定(12月〜3月)で「寿喜伊山神」の文字を入れることにした。

 道光神社は江戸時代初期に菅平高原を開拓したとされる加藤道向(どうこう)などを祭っているため、通常の朱印状には「道光神社」の文字の横に「菅平開拓之祖」と記している。朱印状を書いてもらうには道光神社で撮影した写真を山家神社に持参するのが条件だが、押森さんは「朱印状で神社の歴史や地元の人の思いに興味を持つきっかけになればいい」と話している。

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