8日に始まったNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の主人公、井伊直虎とゆかりある下伊那郡高森町で、ドラマ放送を機に町をPRし、活性化につなげていこうとの機運が高まりつつある。
直虎は戦国時代に遠江(静岡県西部)を治めた女性領主。いいなずけだったという井伊直親(幼名・亀之丞(かめのじょう))が9歳から約10年間、高森町の松源寺で過ごした縁がある。
同町の日帰り温泉施設「御大(おんたい)の館」では、特産の市田柿の柿すだれや直親が好んで吹いたというしの笛がデザインされた町の公式ロゴマーク入りのタオル(税込み350円)を作り、7日から販売を始めた。ドラマの初回は直虎、直親の幼少期を描き、視聴率は関東地区で16・9%、関西地区で17・3%だった。タオルの開発に携わった同館の宮下淳さん(37)は「子役の演技が印象に残った。人間味のある物語に展開するのではないかと期待させてくれる」とし、PRに力を入れ地域振興につなげたいと意気込む。
町公式キャラクター「柿丸くん」をモチーフに、亀之丞の姿をかたどったペーパークラフトを製作した町教委の職員平沢元啓(もとひろ)さん(30)は「『亀之丞』の名が放送で流れ、親近感が湧いた。今後が楽しみ」と、地域の盛り上がりにつながることを期待した。