身や白子、野菜などがたっぷり入ったタラ鍋

身や白子、野菜などがたっぷり入ったタラ鍋

新潟県 佐渡 グルメ 特産

[海の幸冬味たっぷり]4 マダラ ふくれた腹美味の証し

新潟日報(2017年2月15日)

 ぱんぱんに張った腹がうまさの証し。マダラは厳しい冬の寒さを乗り越えるため、大きな口で他の魚やエビなどの甲殻類を食べ、たっぷり栄養を蓄える。食欲旺盛な姿は「たらふく食べる」の語源ともいわれる。

 身は白く、くせがない。白子(精巣)はクリーミーな味わい、真子(卵巣)はプチプチした食感が特徴だ。

 漢字で「鱈」と書くように、雪の降る1月下旬~2月末に旬を迎える。夏は水深約500メートルの深場に生息するが、冬になると産卵のために浅瀬に移動する。漁師は習性を利用し、網を張る。佐渡沖では主に刺し網で取る。白子や真子も産卵に備えて大きく成長し、一段とうま味を増している。

 「マダラは鍋で食べるのが一番。アラから取っただしに身や白子、野菜を入れるだけで誰でもおいしく作れる」。佐渡市稲鯨沖で漁を営む浜本栄一さん(60)=米郷=は薦める。

 毎朝5時に出漁。荒波に耐え、稲鯨の沖合約7キロを目指す。水深約300メートルに仕掛けた網を上げ、次の網を仕掛け直す。多い時には600本以上掛かり、港へ戻って夕方まで網から外し続ける。凍(い)てつく船の上で漁を終えた後、鍋をつつくのが楽しみだ。

 県水産海洋研究所の調査では、2015年に佐渡で水揚げされたマダラは、県の漁獲量の半分を占める約500トン。市場関係者によると、2割に当たる約100トンは島内で消費される。

 島のスーパーには、丸々太った新鮮なマダラが並ぶ。1匹丸ごと買って、ぶつ切りにし、鍋へ。長年親しまれてきた家庭の味だ。

 「ふくれた腹には、うまさが詰まっているんだ。たらふく食べてほしい」。浜本さんの言葉に、熟練漁師の誇りがにじんだ。

〈佐渡のタラ〉主に両津湾や二見半島沖で漁が行われている。佐渡沖で漁獲されるタラには主にふくれた腹が特徴のマダラと、タラコの原料となるスケトウダラの2種類がある。約20年前まではスケトウダラも年間千トン前後水揚げされていたが、温暖化などの影響で漁獲量が急減。現在は年間30トン前後で推移している。

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