3月2日に小浜市の若狭神宮寺などで行われる伝統行事「お水送り」を前に、地元の住民たちが26日、同寺境内で大護摩など神事を営む場所と見学客を分ける「結界」づくりに精を出した。
神宮寺区壮年会のメンバーら約20人が早朝から、地面にくいを打ち込んだり、丸太を縄でくいに結びつけたりする作業などに汗を流した。道路にのぼり旗も設置し、本番に向け着々と準備を進めていた。
壮年会の神戸(じんど)義博会長(40)は「こんなに近くで神事を見られる伝統行事はなかなかないと思う。大勢の人に来てもらい、見た後はぜひ鵜(う)の瀬までたいまつ行列に加わって」と話していた。
お水送りは、若狭に春を告げる小浜市を代表する行事。同寺で昼前後と夕方、神事があり、午後7時半ごろ、たいまつ行列が遠敷(おにゅう)川約1・8キロ上流の鵜の瀬に向かう。同8時半すぎにたいまつの炎に照らされる中、「御香水(こうずい)」が注がれる。10日間かけて地下を通り、奈良・東大寺二月堂の「若狭井」に届くとされる。