能楽器の奏法を同時通訳で教わる外国人観光客=金沢能楽美術館

能楽器の奏法を同時通訳で教わる外国人観光客=金沢能楽美術館

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能楽器体験、英語で 金沢能楽美術館、ボランティア通訳

北國新聞(2017年4月19日)

 金沢能楽美術館は18日、能楽で使う楽器の体験会に英語の通訳を導入した。通訳ボランティア団体のメンバーが月2回常駐し、北陸新幹線開業で増加する外国人観光客に対応する。初日に訪れた英国からの旅行者は、同時通訳を介して吉野晴夫館長と会話を楽しみながら、楽器の奏法や特徴を教わった。
 同館では毎週火曜に、現役能楽師の吉野館長が太鼓や能管の奏法を教える体験会を開いているほか、面、装束の着付け体験などを行っている。来館した外国人観光客に常時対応できる職員がいないため、今年度から金沢グッドウィルガイドネットワーク(KGGN)と連携することにした。
 この日は、同団体の松田隆一さん(75)がガイドを担当し、英国ロンドンから観光に訪れた2人を「ウエルカム(ようこそ)」と迎えた。能楽の歴史も解説し「シェイクスピアの劇よりも古い舞台芸術だ」などと英語で紹介した。
 太鼓の体験では、吉野館長が、ばちのたたき方で2種類の音を使い分けていることなどを解説すると、2人は「ブリリアント(素晴らしい)」と目を輝かせた。
 このうち、金沢に来て一番に同館に足を運んだというダニエル・ロスさん(31)は「母国で、能楽を基にした英オペラ作品に出演して能に興味を持った」などと話し、「金沢で最高の体験ができた」と満足そうに語った。
 米国などからの団体客も体験会を訪れた。6月まで開催中の春季特別展「秘スル花ヲ知ルコト」(北國新聞社後援)を鑑賞する姿も見られた。
 新幹線開業後、同館を訪れる外国人観光客は2015年度に2082人(前年度比15%増)、16年度に2792人(同14%増)となっている。体験会にはホームページなどを調べて外国人団体客が訪れたこともあり、吉野館長は「外国人の能への関心は高い。クルーズ船が寄港した際など、予約にも応じていきたい」と話した。

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