3日から福井県立美術館で開かれる個展に出品する書道家千葉半厓さんの古代文字などの前衛書=福井県敦賀市清水町1丁目のアトリエ

3日から福井県立美術館で開かれる個展に出品する書道家千葉半厓さんの古代文字などの前衛書=福井県敦賀市清水町1丁目のアトリエ

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前衛書、半世紀の歩み込め 千葉半厓さん3年ぶり個展

福井新聞(2017年5月2日)

 福井県敦賀市沓見の書道家、千葉半厓(はんがい)さん(86)の書展「千葉半厓の世界~紙と土と布と」(福井新聞社後援)が3日から福井市の県立美術館で開かれる。前衛書を手掛ける県内書道界の重鎮が「半世紀の書の歩みを込めた」と位置付ける個展。躍動感ある筆致で古代文字を書いた屏風(びょうぶ)などの新作約60点を披露する。

 千葉さんは全日本書道連盟評議員、敦賀市文化協会会長などを歴任し、2013年度には文部科学大臣表彰の地域文化功労者を受賞。現在は市内で「玄々社(げんげんしゃ)」を主宰し、県内書道界で指導的な立場となっている。

 今回は3年ぶりの個展。千葉さんの前衛書の古代文字は、直線的な「甲骨文字」と丸みを帯びた「金文」を使用。濃墨で書いた作品は力強さがみなぎり、淡墨の場合は味わいのある模様が浮かび上がる。

 甲骨文字の豪快な1字が一面に書かれた屏風は手作り。鳥の子紙を張った後に筆を握り、やり直しできない一発勝負のため、千葉さんは「緊張感があっていい」と笑う。

 長さ8メートル、幅1・1メートルの巨大な不織布に、中国の故事「有四時楽為衆人師」の8字を甲骨文字で書いた大作は圧巻。「いつも楽しみがあれば大勢の人の先頭に立てる」(千葉さん)との意味だという。

 現代文の作品もあり、俳人・種田山頭火の句を書いた小屏風を制作。山頭火作品は10年ほど前に県美展などに出品していたが、個展では初のお披露目。

 このほか、表裏に紅白の紙を張ったパネルの両面に古代文字を書き衝立(ついたて)のように立てた作品や、陶板に揮ごうしたものも出品予定。千葉さんは「山頭火の現代文や古代文字など、私のこれまでの歴史を振り返って作り上げた新作を楽しんでほしい」と話している。同展は7日まで。入場無料。

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