トランスイート四季島の乗客が見学に訪れる玉川堂=燕市中央通2

トランスイート四季島の乗客が見学に訪れる玉川堂=燕市中央通2

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「四季島」に燕三条の技満載 豪華寝台列車の内装に採用

新潟日報(2017年5月8日)

 JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」が1日に運行を始めた。周遊コースに玉川堂が組み込まれ、車両の関連用品には山崎金属工業など燕三条の伝統や技術が取り入れられている。地元関係者は「燕三条や新潟県の魅力を伝えたい」と口をそろえている。

 四季島は1日、新潟県を含む北海道や東北を周遊する3泊4日のコースに出発した。日光や登別温泉、三内丸山遺跡などを巡り、最終日は伝統的工芸品の鎚起(ついき)銅器を製造する玉川堂を訪れる。県内では唯一の立ち寄り先となる。

 玉川堂では約1時間の滞在中、職人や従業員が工場や店舗で鎚起銅器の作業工程、会社の歴史や燕三条の成り立ちなどを説明する。玉川基行社長は「においや音、職人の気持ちなど生でしか得られない体験を五感で感じてほしい。伝統工芸の見方や在り方を再認識するきっかけになれば」と意気込みを語る。

 乗客はJR新津駅で下車してバスで玉川堂に移動し、見学後はJR東三条駅から四季島に乗り込む。バスでは燕市観光協会の職員が燕三条や新潟県の自然、歴史文化を解説する。観光協会の斎藤優介・産業観光推進係長は「風土や金属産業の物語を伝え、燕三条だけでなく、新潟県のことを知ってもらいたい」と語る。

 四季島の車両には天井にまで広がる窓が特徴的な展望ラウンジや、新潟県を含む沿線の食材を用いた料理を提供するダイニングなどがある。インテリアには沿線の工芸品や伝統技術が多く採用されている。

 ダイニングで使う洋食器は燕市の山崎金属工業がオリジナル製品を製作した。ニッケルシルバーに銀メッキを施したテーブルナイフやフォークなど1セット11種類あり、柄の部分に四季島のロゴがあしらわれている。

 JR東日本によると、食器以外にも、板垣金属(三条市)のテーブル照明や島倉堂(燕市)の靴べら、玉川堂の花器などが車両の随所に用いられている。

 山崎金属工業の山崎悦次社長は「四季島は『走る三つ星レストラン』。採用されて名誉に思う。乗客に燕三条の技術を知ってもらいたい」と話している。

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