近藤製作所が製造する鉄フライパン皿

近藤製作所が製造する鉄フライパン皿

新潟県 燕・三条・弥彦 特産

鍛冶屋の魂、ここにあり!手仕上げ「鉄フライパン皿」

新潟日報(2023年3月3日)

 新潟県三条市猪子場新田のくわ製造「近藤製作所」は、取っ手が外せる鉄のフライパン皿の製造を始めた。鍛冶職人の技術を生かし、鉄板を木づちでたたいて一つずつ手作業で仕上げた。農家の高齢化や農作業の機械化でくわの需要が減少する中、近年のキャンプブームも追い風にキッチン用品の分野に挑戦し、新たな活路を見いだそうとしている。

 同社はくわなどの農業・園芸用品を扱う鍛冶屋として昨年、創業150年を迎えた。現在は5人の職人が分業で製造を担う。燕三条のものづくりの現場を開放する「工場(こうば)の祭典」にも毎年参加している。

 看板商品のくわは耐久性が高いのが特長。ただ、農業者の減少や機械化の浸透など業界を取り巻く環境は厳しい。近藤孝彦社長(42)は「鍛造の技術を生かし、新たな鉄製品を作ってみたい」と、地元で競合が少ないフライパンに着目し、昨年2月に通常のフライパンを発売した。

 今回は高まるキャンプ需要を意識し、より軽量で運びやすく、取っ手を外せばそのまま食卓に出せるフライパン皿を開発した。製造は近藤社長が自ら担当し、円形の鉄板を木づちでたたいて形成。縁を削って整えた後、食用油をなじませて防さび加工する。全て手作業のため、一つ作るのに2〜3時間かかるという。

 プレス加工などの一般的なフライパンに比べて強度が高い上に、中までじっくりと火を通せる。「ステーキを焼くと、表面はかりっと中はふんわりと仕上がる」と近藤社長。たき火や炭火、ガス火のほか、IHでも使用可能。よく見ると一点一点が違うのも鍛造フライパンの魅力だという。近藤社長は「耐久性が高いので一生もの。キャンプでも家の食卓でも、このフライパンを囲んでおいしい料理を食べてほしい」とPRする。

 直径22センチの大サイズは6930円、18・5センチの小サイズは6050円。鉄ハンドルは別売りで5280円。金物卸の山谷産業(三条市)が運営するインターネットショップ「村の鍛冶屋」で販売している。問い合わせは同社、0256(38)5635。

詳細情報

リンク
ショップ | 株式会社山谷産業【村の鍛冶屋 / TSBBQ】 https://www.yamac.co.jp/shop/
株式会社近藤製作所【公式】 | 三条で創業150年の鍛治屋 https://kuwakaji.com/
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