改修を終えた堀口家住宅の室内=福井県池田町稲荷

改修を終えた堀口家住宅の室内=福井県池田町稲荷

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国指定重要文化財「堀口家住宅」風格が復活 40年ぶりの大改修終了、江戸中期の庄屋

福井新聞(2015年2月24日)

 福井県池田町稲荷にある国指定重要文化財「堀口家住宅」の保存修理工事がこのほど完了した。2年かけて約40年ぶりの大改修を終えた建物は真新しい茅(かや)がふかれ、堂々とした風格で建築当時の姿をしのばせている。

 堀口家は同町の須波阿湏疑(すわあずき)神社の氏子総代のような役割を務めた「十二軒衆(けんしゅう)」の一つで、庄屋も務めたとされる。住宅は入り母屋造り茅ぶき平入りで、広さは約120平方メートル。室内は入り口左手に農耕用の牛を飼育した「うまや」と農機具の補修やわらじ編みなどをした「にわ(土間)」、右手に座敷の「かみのま」「なかのま」を配する。

 嶺北南部の農家特有の間取りで、当時の建築様式を色濃く残しているとして1969年に重文に指定された。同年まで住居として使われ、土間に板を張ったり外壁にトタンを貼るなどしていたため、建てられた江戸中期ごろの様子を再現するとともに補修工事を行っていた。

 補修工事では、傷みの激しかった屋根の茅の全面ふき替え、柱やはりの部分補修、土壁の全面塗り直し、耐震補強などを行った。工期は2013、14年度で総事業費は約4865万円。誰でも自由に見学できる(午前9時~午後4時、休館日なし)。問い合わせは町教委=電話0778(44)8006。

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