福井県南越前町の夜叉ケ池(1099メートル)が5日、山開きした。時折小雨がぱらつく中、大勢の登山者が訪れ、豊かな自然に親しんだ。
同町岩谷の登山口で安全祈願祭が開かれ、今庄観光協会や町関係者ら約20人が出席した。地元住民が吟舞「夜叉ケ池」を奉納。さらにシーズン中の安全を祈って神事が営まれた後、川野順万町長が「景色を楽しみながら自分のペースで登り、夜叉ケ池の神秘的な雰囲気を楽しんでください」とあいさつした。
テープカットの後、家族連れや友人グループら約50人が山頂を目指した。友人と3人で訪れた新谷優希さん(18)=福井市=は「パンフレットで見た池の写真がきれいで、初めて来た。自然の中で癒やされたい」と楽しそうに話していた。
夜叉ケ池には、国の絶滅危惧種に指定されているヤシャゲンゴロウが生息。コース近くには、滝やトチノキの巨木があり、美しい風景を楽しめる。頂上までは徒歩で、1時間半~2時間と比較的登りやすく、人気を集めている。