古刹（こさつ）の乙宝寺、変化に富んだ自然、偉人が親しんだ街並み－。胎内市の名所や史跡を、得意なジャンルごとに知識豊富な１５人の"達人"が案内する「市民観光ガイド」の活動がスタートした。ガイドたちは５日も案内の練習に励み、「胎内ファンを増やしたい」と意気込んだ。

　地元の人を案内役に、地域のお薦めスポットを掘り起こしてつなげ、観光客を増やしたいと、市が企画。ガイドの養成に向け、２０１４年から研修会と先行地域の視察を重ねてきた。ことし４月にメンバーを詰め、６月中旬には市観光協会のホームページ（ＨＰ）に専用ページを設けて、準備が整った。

　案内するコースは「歴史」「自然」「街」をテーマに２６種類。歴史では、乙宝寺をはじめ、書家で歌人の会津八一の足跡をたどる行程を用意した。奥胎内や胎内平の自然を訪ねたり、宿場町だった商店街や街道を巡る街歩きを楽しんだりと、バラエティーに富む。

　乙宝寺を担当する胎内市半山の女性は、ガイド研修に参加して地元の良さを知ったという。「研修を重ねるたびに魅力の多さに驚いた。少しでも同じ感動を伝えていきたい」と抱負を語る。

　これまでガイド活動を独自に行ってきた会津八一顕彰団体「中条会津八一会」も加わった。副会長の今村克治さん（７３）は「１日で複数のコース案内ができるようにガイド同士の連携を図りたい」と話した。

　ＨＰ「胎内観光ＮＡＶＩ」の「観光ボランティアガイド」からコースを選択すると、担当ガイドや所要時間、料金（保険料含む）が確認できる。申し込み、問い合わせは胎内市観光協会、０２５４（４７）２７２３。