7月発売される「蔵の至宝」。後方は難を逃れたタンクに触れる原吉隆社長=柏崎市新橋の原酒造

7月発売される「蔵の至宝」。後方は難を逃れたタンクに触れる原吉隆社長=柏崎市新橋の原酒造

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10年前の震災乗り越えた秘蔵酒 柏崎・原酒造7月に発売

新潟日報(2017年6月19日)

 2007年7月16日の中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎市の原酒造が、奇跡的に難を逃れたタンクで10年間熟成させた秘蔵酒の純米大吟醸「越の誉 蔵の至宝」を7月10日に発売する。関係者は「多くの人から支援を受け復興できた。10年の節目に味わってほしい」と呼び掛けている。

 原酒造は地震により木造の酒蔵5棟や事務所など、建物の約7割が全壊した。日本酒を貯蔵していたタンクも約80本が損壊し、1万本以上の酒瓶が割れた。

 しかし、全壊した酒蔵の中で一つのタンクが被害を免れ、その年に仕込んだ純米大吟醸が無事だったことから、地震10年の節目まで熟成させ販売することにした。

 原吉隆社長(59)は「地震当日は偶然祝日で、社員が会社にいなかったので犠牲者が出なかった。みんなが無事だったから再建できた」と振り返る。

 倒壊した酒蔵の中から奇跡的に残った大吟醸酒は、原酒造にとって「希望の光」だった。原社長は「社員が10年間、復興に向け進んできた強い思いが込められた酒。わが子を送り出す思い」と話す。

 10年間常温熟成され、口当たりが良く、深みのある酒に仕上がったという。四合瓶(720ミリリットル)で7千円(税別)。限定1200本を県内の酒販店などで販売する。問い合わせは原酒造、0257(23)6221。

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