浄土真宗の歴代門主とのつながりを示す資料が多く並ぶ特別展「御堂陽願寺の名宝」=8月7日、越前市武生公会堂記念館

浄土真宗の歴代門主とのつながりを示す資料が多く並ぶ特別展「御堂陽願寺の名宝」=8月7日、越前市武生公会堂記念館

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陽願寺、創建550年で宝披露 越前市で文化財特別展

福井新聞(2020年8月8日)

 福井県越前市本町の陽願寺が創建550年を記念して、所有する文化財を紹介する特別展「御堂陽願寺の名宝」が8月7日、市武生公会堂記念館で始まった。浄土真宗中興の祖、蓮如をはじめとする歴代の宗派の長「門主」とのつながりの深さを示す仏画や文書、仏像など約50点を展示している。9月27日まで。

 同寺は創建550年に向け、2017年から建造物や寺宝の本格的な調査を実施。市制施行15周年の記念事業の一つとして同館が開く特別展では、歴代門主だけでなく天皇家、公家との関係を示す資料も展示し、地域に残る歴史の豊かさを伝える。

 今年3月に市指定文化財となった仏画「蓮如・善鎮連坐(ぜんちんれんざ)像」(桃山時代)は、蓮如から陽願寺開祖の善鎮が数珠を受け取る構図。親鸞と蓮如の連坐像を参考にした珍しい例とされ、同寺の起源を伝える貴重な資料になる。蓮如が贈ったとされる数珠も展示している。

 合わせて市指定文化財となった12代門主准如(じゅんにょ)の肖像画(江戸初期)も紹介。西本願寺初代住職でもある准如は陽願寺に越前の寺院のまとめ役「惣禄(そうろく)」を命じ、同寺の繁栄のきっかけを作った。

 桜町天皇(1720~50年)の位牌(いはい)や光格天皇(1771~1840年)の冠も展示の目玉。陽願寺9代住職が公家の油小路家から妻を迎えたことなどを縁に伝わった寺宝で、京の貴族とも親交が深かったことが分かる。

 開館時間は午前10時~午後6時。月曜休館だが、祝日の場合は翌平日が休館。一般500円、高校生以下は無料。

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