福井県越前市が紫式部公園に隣接する無料休憩所「藤波亭」を改修して整備した「紫式部と国府資料館 紫ゆかりの館」(同市東千福町)が4月23日、オープンした。紫式部と越前の関わりをテーマにした観光施設で、絵巻物風のアニメ映像や平安時代をイメージした展示が楽しめる。
木造平屋建ての施設は、「出逢(であ)いの庭」「はじまりの縁」など五つのゾーンで構成。かつて国府が置かれ、国司として赴任した父・藤原為時とともに若き日の紫式部が1年余りを過ごしたとされる越前市の歴史を発信する。事業費は1億5千万円。入館無料。
「紫式部の間」では、越前での暮らしから源氏物語を著すに至るまでを壁面のアニメ映像で表現。源氏物語の登場人物にちなんだタイプ診断ができるタッチパネルのコーナーも設けた。観光スペースでは丹南地域の見どころや伝統工芸を紹介している。
企画展示「紫式部が暮らした越前国府」(6月20日まで)では、史料や遺物などを通じて国府や国司について学ぶことができる。
オープンに合わせ、同館など市内の観光・文化施設でQRコードの電子スタンプを集めるとグッズがもらえるスタンプラリーが5日まで開かれている。