千枚田の苗代田にくわを入れ、田の神を迎える田中さん=5日午前9時37分、輪島市白米町

千枚田の苗代田にくわを入れ、田の神を迎える田中さん=5日午前9時37分、輪島市白米町

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輪島市・千枚田で田の神迎え あえのこと、苗代田60年ぶり復活

北國新聞(2014年12月5日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている農耕儀礼「あえのこと」が5日、奥能登各地で行われた。輪島市の国名勝「白米(しろよね)千枚田」では、60年ぶりに復活した直播(じかま)きの苗代(なわしろ)田で地元農家が田の神を迎えて自宅でもてなし、収穫に感謝した。

 白米町で唯一となった千枚田耕作者の田中喜義さん(73)が寒空の下、裃(かみしも)姿で苗代田に塩と米、お神酒をまいて目が不自由とされる夫婦神を出迎え、千枚田の山側の自宅に案内した。

 風呂に漬かってもらった後、座敷に通し、「今年1年、見守っていただき、ありがとうございました。ささやかですが食事をお召し上がりください」と朱塗りの輪島塗御膳に盛ったタイや煮しめ、おはぎなど山海の幸を振る舞った。

 苗代田は世界農業遺産「能登の里山里海」を代表する棚田を、伝統農法を継承する「日本農業の聖地」として発信するため、輪島市が今年、農家の協力を得て復活させた。あえのことは国の重要無形民俗文化財にも指定されており、12月に田の神を迎え、翌年2月に送り出す。

 同市白米町では、県職員川口喜仙(よしのり)さん(50)も紋付き袴(はかま)姿であえのことを行った。




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