木目金など鎚起銅器の粋を集めた玉川達士作品展=29日、燕市大曲

木目金など鎚起銅器の粋を集めた玉川達士作品展=29日、燕市大曲

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鎚起銅器の粋存分に 玉川達士さん燕で作品展

新潟日報(2015年12月3日)

 燕市の鎚起(ついき)銅器の老舗「玉川堂」の工場長で日本工芸会正会員の玉川達士さん(45)の作品展が20日まで、燕市大曲の市産業史料館で開かれている。異なる金属を何枚も重ね、打ったり鏨(たがね)で削ったりして独特の模様を描き出す木目金(もくめがね)作品を中心に、約40点が展示されている。

 玉川さんは1988年、玉川堂入社。2002年に伝統工芸士に認定されている。

 初めての個展となる今回は、20代のころの県展出品作から近作の木目金作品まで、これまでの歩みを一覧できる約40点を集めた。

 木目金は幾重にも重ねた銅や銀、赤銅などを彫ったりたたいたりして木目状の模様に仕上げる技法。近代になって途絶えかけたが、父で人間国宝の宣夫さんが掘り起こし、現代によみがえらせた。

 出展の木目金作品は「30代になって父に学び、作り始めた」(玉川さん)もので、唐塗りを思わせるまだら模様や、筆で書いたようなこまやかな線を自在に表現。金属でありながらしっとりとしたその質感は、漆器や陶器のぬくもりを感じさせ、鎚起銅器の奥深さを感じさせる。

 夫婦で訪れていた燕市本町1の柳原勝子さん(72)は、「意表を突くようなモダンな表現もあって楽しめた。これだけの模様を出すのには、技術はもちろん、大変な労力を要したはず」と、一点一点丁寧に鑑賞していた。

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