喬木村阿島の安養寺境内に植わる「阿島の大藤」が見頃を迎え、一帯に甘い香りを漂わせている。約20本あるフジの木から垂れ下がる花房はまるでカーテンのようだ。
阿島の大藤は、大恐慌の嵐が吹き荒れた昭和初期に地元の商店主らが観光名所をつくって立ち上がろうとフジの木を7本植えたのが始まり。現在は、地元の4軒でつくる保存会が手入れを続けている。
今季は例年より1週間ほど遅い1日に開花。花房は長いもので約1メートルに達している。保存会員の松村光洋さん(59)は「ここには紫、白、ピンク色と、八重咲きもあって種類が豊富。ゆっくりと楽しんでもらえたらうれしい」。
青空が広がった8日は多くの観光客が訪れ、花を眺めたり写真を撮ったり。初めて訪れたという飯田市立石の玉置和季さん(21)は「色も良くてきれい。趣味で描いている絵の題材にしたい」と満足そうだった。
花のお披露目は14日まで。入園料100円(小学生以下は無料)。