大野市南六呂師の妻平湿原で、寒冷地の湿原に分布する水生植物「ミツガシワ」が見頃を迎えている。緑豊かな風景の中に純白の花が一面に広がり、まるで白いじゅうたんのよう。散策客の目を楽しませている。
ミツガシワは約260万年前に北極圏から南下して広がったとされ、世界各地に分布している。県レッドデータでは生育地が限られていることから「県域準絶滅危惧」に指定されている。六呂師高原スキーパーク麓の妻平湿原は県内で最も広い群落地。湿原の3分の1程度、約1700平方メートルに細い花びらの内側に"ひげ"を付けたような花が広がる。
桃色のつぼみも膨らみ、満開まではあと少し。暖かい陽気に包まれた12日は、散策客が花を見ながらおしゃべりする姿が見られた。花は花軸の下から順に咲き、5月下旬まで楽しめる。