県無形民俗文化財「早船狂言」が11日、珠洲市蛸島町の高倉彦(たかくらひこ)神社で上演され、町出身3人の繰り広げる絶妙な掛け合いが、風雨の中で訪れた見物客を沸かせた。
早船狂言は少なくとも240年前には始まっていたと伝わる。新成人が役を務める習わしがあるものの、今年は進学や就職で人が集まらず、神社の由来を述べる口上人役を、田中聡さん(41)が40代として40年ぶりに務めた。
その後、芸者遊びに興じて出航を渋る、船頭役の大城優盛(ゆうせい)さん(20)と出航を促す艫(とも)取り役の岸田怜也(れいや)さん(20)が掛け合いを披露し、所作を決める度に、見物客が紙吹雪を舞わせた。