石油を採掘していた当時のまま残されている新津油田金津鉱場跡のタンク=新潟市秋葉区

石油を採掘していた当時のまま残されている新津油田金津鉱場跡のタンク=新潟市秋葉区

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新潟・新津油田金津鉱場跡史跡に 文化審答申

新潟日報(2018年6月18日)

 国の文化審議会は15日、近代のエネルギー産業発展を物語る「新津油田金津鉱場跡(かなづこうじょうあと)」(新潟市秋葉区)など9件を国史跡に、日本初の都市公園の一つである「白山公園」(同市中央区)など4件を国名勝に指定するよう林芳正文部科学相に答申した。新潟県の国指定史跡は31件、国指定名勝は12件となる。また、国史跡「旧新潟税関」(同市中央区)の敷地の一部を追加指定するよう求めた。

■石油産業遺跡は初

 史跡の答申を受けた新津油田金津鉱場跡は指定を受ければ、日本の近代化を支えた石油産業に関する遺跡として全国初となる。採油から精製までの一連の施設が良好な状態で残っていることが高い評価を受けた。

 新津油田は明治末期から大正初期にかけて日本一の産油量を誇った。中でも金津は、「石油王」と呼ばれた中野家が石油関連施設の多くを設置し、採掘は1996年まで続いた。

 「石油の里公園」と呼ばれる鉱場跡一帯には、油井ややぐら、油と水を分離するタンクのほか、約50の油井に動力を送った「ポンピングパワー」と呼ばれる装置が現存する。新潟市歴史文化課は「昭和以降は産出量がそう多くなかったため、古い機器類が奇跡的に残された面もある」とみる。

 石油産業遺跡の魅力を発信する活動を続けてきた「石油の世界館友の会」の事務局長、中島哲宏さん(75)=新潟市秋葉区=は「指定をきっかけに、市民と行政が一体となって保全や発信を進めなければいけない」と気を引き締めた。

■文明開化の象徴に

 日本初の都市公園の一つ「白山公園」は、1872年、県令の楠本正隆が開港場にふさわしい文明開化の象徴として官有地に造らせた。国内で計画的に造営された最初期の事例となっている。翌73年の太政官布告で、都市公園として認められた。

 オランダ式を取り入れ、心身を健やかに教養を高める場所として、動物園や記念碑なども設置された。「新潟シティガイド」代表の二瓶芳枝さん(65)は「公園には建立物や花など見どころがたくさんある。ぜひ多くの人に見に来てほしい」と話した。

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