八百比丘尼の像や掛け軸が並ぶ特別公開展=福井県小浜市の県立若狭歴史博物館

八百比丘尼の像や掛け軸が並ぶ特別公開展=福井県小浜市の県立若狭歴史博物館

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八百比丘尼伝説を比べて 小浜と福島にスポット 福井

福井新聞(2019年12月3日)

 福井県の若狭で生まれ、人魚の肉を食べ800歳まで生きたという八百比丘尼(はっぴゃくびくに)の伝説を紹介する特別公開展が12月8日まで、福井県小浜市の県立若狭歴史博物館で開かれている。市内に伝わる坐像(ざぞう)と、福島県に伝わる比丘尼の生涯を描いた掛け軸などが展示され、二つの地域の伝説を比べることができる。

 江戸時代後期の小浜の史料「拾椎雑話(しゅうすいざつわ)」に掲載された伝説を紹介している。それによると、勢村に住んでいた高橋長者が人魚の肉を持ち帰り、それを娘が食べたという。

 一方、福島県喜多方市の金川寺(きんせんじ)では、人魚ではなく竜宮城の珍しい貝を食べたと伝わっている。不老となって病気の人々を救い、天皇から褒美を受け取った生涯を描いた掛け軸3点を展示。比丘尼が食べたという大きな貝の貝殻、着用していたと伝わるけさも並ぶ。

 小浜市青井の神明神社境内の八百姫(やおひめ)社に祭られている室町時代と江戸時代の坐像2体も展示している。どちらも比丘尼が植えたと伝わるツバキを持っているが、江戸時代のものは黄や青、赤など彩色された跡が残っている。

 窪田裕美学芸員は「坐像は市内ではほぼ残っておらず珍しい。両地域の伝説を比べてみてほしい」と話している。観覧料は一般310円、高校生以下と70歳以上は無料。開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。

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