天然イワガキを箱詰めする海士=珠洲市の飯田港

天然イワガキを箱詰めする海士=珠洲市の飯田港

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奥能登の幸 水揚げ本番

北國新聞(2020年7月6日)

 珠洲、輪島両市でアワビ、サザエ、イワガキの素潜り漁が本格化している。5日、しけで漁を見合わせていた輪島では解禁日から4日遅れで初物がお目見え。「輪島の海女(あま)漁の技術」は2018年に国の無形民俗文化財に指定されており、海女たちは誇りを胸に、奥能登の海でおいしく育った夏の味覚を水揚げした。
 珠洲市の飯田港で5日、海士たちが殺菌処理を終えたイワガキを選別して箱詰めし、金沢市や富山市に出荷した。作業は今月下旬まで続く予定で、期間中に約9トンの出荷を見込む。漁師の濱谷正和さん(37)は、今年は飲食店の営業自粛などの影響で例年より注文が少ないと話し、「混乱が落ち着き、状況が上向けばいい」と語った。
 珠洲産のイワガキは飯田港沖の水深約10メートル以上の岩礁帯に生息しており、資源保護のため、漁期は7、8月に限られる。深くまで潜る必要があるためベテランしか採ることができず、高い技術を持つ輪島市の海女が作業に当たっている。外殻がわずかに金色を帯びる希少な「黄金イワガキ」もあり、より濃厚な味わいを楽しめる。
 この日、市内の飲食店や宿泊施設13店舗で黄金イワガキの提供が始まり、各店には旬の味覚を求める観光客が訪れた。レストラン浜中(上戸町南方)の濱中康男店主(56)は「今年も最高の味わい。珠洲でしか味わえない美味を堪能してほしい」と太鼓判を押す。
 輪島市に夏を告げるアワビ、サザエの素潜り漁は同市沖の舳倉(へぐら)島、七ツ島周辺海域で始まった。
 素潜り漁は1日に解禁されたが、しけのため漁を行えず、輪島港では今年初めての水揚げとなった。
 県漁協輪島支所によると、5日はアワビ約30キロ、サザエ約2200キロが輪島、舳倉島両港に水揚げされ、初日としては例年より少なかった。
 漁を終えた西見清美さん(65)は「今年のスタートは良くなかった。今後も水揚げ量に期待をするのが難しいが頑張りたい」と話した。9月末まで行われる。

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