弦楽器と箏で情緒あふれる旋律を披露する出演者=金沢市の県立音楽堂コンサートホール

弦楽器と箏で情緒あふれる旋律を披露する出演者=金沢市の県立音楽堂コンサートホール

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楽都音楽祭 金沢で「秋の陣」が幕開け

北國新聞(2020年9月7日)

 「いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭」(北國新聞社特別協力)の秋の陣は6日、金沢市の石川県立音楽堂コンサートホールで開幕した。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と地元演奏家らがオープニングコンサートで多彩なプログラムを繰り広げ、春の公演中止からステージを待ちわびた聴衆が演奏に酔いしれた。
 OEK弦楽器メンバーと県箏曲連盟の5人によるビバルディの四季より「秋」で華やかに幕を開け、OEK常任客演指揮者の川瀬賢太郎さんのタクトで情緒あふれる旋律を披露した。
 今年生誕250年を迎えたベートーベンの交響曲第5番「運命」第1楽章をOEKが奏で、ピアニストの菊池洋子さんがモーツァルトのピアノ協奏曲第21番第2、3楽章で優美な音色を届けた。
 ソプラノ歌手の石川公美さんはプッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」を歌い上げ、バイオリンの坂口昌優さん、チェロのルドヴィート・カンタさんがモンティの「チャールダーシュ」で多彩な旋律を響かせた。
 新型コロナウイルスによる自粛生活で自炊傾向が高まったことを題材に、OEK打楽器奏者の渡邉昭夫さんが台所用品を使った演奏で会場を楽しませ、最後はオリンピック・マーチで壮大に締めくくった。
 公演前の式典では、同音楽祭実行委員会の池辺晋一郎会長が「秋の陣で改めて生演奏の良さを体感できるはず。音楽を共有できる幸せな日々を感じてほしい」と述べた。谷本正憲知事、山野之義金沢市長があいさつし、前田家18代当主の前田利祐(としやす)名誉会長が出席した。秋の陣は9~12月に北陸三県で約40公演が繰り広げられる。

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