傘を差す久保さん(中央)夫妻の前途を祝し、七尾まだらを披露する会員(手前)=七尾市古府町

傘を差す久保さん(中央)夫妻の前途を祝し、七尾まだらを披露する会員(手前)=七尾市古府町

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花嫁道中、まだらで先導 七尾・古府町、「末弟」の門出祝う

北國新聞(2020年11月23日)

 「いい夫婦の日」の22日、七尾市古府町で新郎新婦による花嫁道中が繰り広げられ、伝統の祝い唄「七尾まだら」がゆったりと響いた。新郎の久保貴光さん(34)=古府町=は今月4日に七尾まだら保存会から伝承師の認定を受けたばかり。同じグループに所属する40~70代の7人が駆け付けて、熟練の節回しで道中を先導、「末弟」である久保さんの門出を祝った。
 紋付袴(もんつきはかま)姿の久保さんは、色打掛(いろうちかけ)に身を包んだ妻の真(ます)子(こ)さん(34)=津市出身=と一緒に、親族らとともに式を挙げる町内の能登國総社までの約200メートルを歩いた。
 先導したのは、久保さんが所属する七尾まだら「春風会」の山田外志勝会長(74)。「めでためでたの若松様よ 枝も栄える葉も茂る...」と熟練の歌声を披露し、他の会員とともに、切れ味のある手拍子を響かせた。
 春風会は七尾まだら保存会の一翼を担い、約20人が所属している。久保さんはこれまでも地元の祭りなどで七尾まだらを披露しており、今年3月に春風会に入った。月1回の練習を通じてめきめきと上達し、10月25日の伝承師審査会では朗々とした歌声を響かせて、伝承師の資格を得た。
 2018年に久保さんの弟吉光さん(28)が挙式し、花嫁道中に臨んだ時も、春風会のメンバーが七尾まだらを披露した縁があり、今回も久保さんの式を盛大に祝いたいと会員が集まった。
 久保さんは「先輩方に歌ってもらい感激した。自分もまだらを継承し、後輩ができた時には自分が歌いたい」と述べた。
 毎月の稽古で久保さんは、先輩会員の助言をすんなりと聞き入れる素直な性格でかわいがられているという。山田会長は「前途を祝いたい。若い芽が育ち、伝統を引き継いでいってほしい」と期待した。

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