映画の完成を報告する(左から)稲塚監督、松崎さん、松本会長=富山県庁

映画の完成を報告する(左から)稲塚監督、松崎さん、松本会長=富山県庁

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食糧危機救う小麦の育ての親 故稲塚さんの映画完成

北日本新聞(2015年4月9日)

 世界の食糧危機を救うきっかけとなった「小麦農林10号」を育種した南砺市西明(城端)出身の農業研究家、稲塚権次郎さん(1897~1988年)の生涯を描く映画「NORIN TEN 稲塚権次郎物語」の完成報告会見が8日、県庁で行われた。稲塚秀孝監督(東京)は「世界に通じる一粒の種を育てた偉人が富山の風土から誕生したことを誇りに思い、作品を見てほしい」と呼び掛けた。

 映画は110分。貧しい農家に生まれ、人々の生活向上を願い育種に打ち込んだ権次郎さんの生きざまと家族との愛を描く。権次郎さんの晩年役を仲代達矢さん、青壮年時代を松崎謙二さん、妻イト役は野村真美さんが演じた。

 遠戚にあたる稲塚監督が豊かな田園と歴史的建造物が今も残る権次郎さんの古里、南砺市を中心にロケを行い、大正から昭和の時代を美しい映像で再現。盛大な祝言や野焼きの葬儀のシーンを盛り込み、人のつながりが深い富山の風習や風土も描き込んだ。「小麦農林10号」が基となった小麦で食糧危機から救われたインドでのロケも敢行した。

 会見で稲塚監督は「日本人が世界の中で何をすべきかを考えさせられる今こそ、権次郎さんの人生を知ってほしい。権次郎さんを通じて日本人の誇りや魂を世界に伝える映画にしたい」と抱負を述べた。主演の松崎さんは「地元の皆さんから大きな支えをいただき、画面からその温かさがにじみ出る作品になった。南砺、富山の力を全国に発信したい」と意気込みを語った。市民でつくる映画「稲塚権次郎物語」を支える会の松本久介会長が会見に同席した。

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 映画「NORIN TEN 稲塚権次郎物語」は5月9日からTOHOシネマズファボーレ富山、富山シアター大都会、TOHOシネマズ高岡で県内先行上映される。前売り券(千円)は南砺市城端伝統芸能会館じょうはな座、北日本新聞社本社プレイガイド、県内各支社などで販売している。同映画製作委員会は稲塚監督の映像制作会社タキオンジャパン、支える会、北日本新聞社などで構成する。

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