屋根の修理を終えた大工町の曳山

屋根の修理を終えた大工町の曳山

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大工町の曳山3年かけ修理、往時の輝き 5月4・5日、南砺の城端曳山祭で巡行

北日本新聞(2024年4月22日)

 5月4、5日に南砺市城端地域中心部で開かれる城端曳山(ひきやま)祭で巡行される大工町の曳山「千枚分銅山(せんまいぶんどうやま)」が修理を終え、21日、同町の山蔵で組み立て作業が行われた。2021年度から3年かけた修理が一段落し、修復に携わる城端蒔絵(まきえ)の16代小原治五右衛門(じごえもん)さん(45)=同市城端=は「往時の輝きを取り戻すことができた」と話した。

 修復を手がけたのは、漆芸に携わる市内の若手職人チーム「塗師屋(ぬしや) 治五右衛門」。漆の小原さんと村田佳彦さん(46)、彫刻の田中郁聡(ふみあき)さん(41)の3人が、昨年8月から屋根の作業を進めてきた。

 大工町の屋根は、中央部から両端に弓状のカーブを描く唐破風が四方に配された「四方唐破風」。小原さんらは、剥げ落ちた朱色の漆を塗り直し、金箔(きんぱく)を貼り直した。妻飾りの彫刻「懸魚(げぎょ)」の欠けた部分も復元した。

 この日は、大工町の住民15人が午前8時から4時間余りかけて組み立てた。

 一連の事業では、幕板や雛台、欄干部分に当たる勾欄(こうらん)を修復した。

 大工町の曳山は明治の大火で焼失し、1906年に再建された。曳山に施された水や龍のデザインは、二度と火災に見舞われないことを願う先人の思いが込められているとし、小原さんは「技の伝承だけでなく、込められたメッセージや巡行の歴史も次の代につなげていきたい」と話した。

 23年度は、新町の「剱鉾(けんほこ)」の彫刻も修復した。

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