タカヂアスターゼの瓶や高峰博士の愛用品、胸像を展示している高岡市立博物館=同市古城

タカヂアスターゼの瓶や高峰博士の愛用品、胸像を展示している高岡市立博物館=同市古城

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高峰譲吉博士の胃腸薬、未来技術遺産登録へ

北日本新聞(2015年9月3日)

 高岡市出身の化学者、高峰譲吉博士(1854~1922年)が発見した消化酵素を製品化した胃腸薬「タカヂアスターゼ」が、国立科学博物館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されることになった。市内の関係者らは「郷土の偉人を知ってもらう機会になる」と喜んでいる。

 未来技術遺産は、次世代に継承するのにふさわしい国産の製品を登録する。保存と活用が目的で、これまでに184件が登録された。

 タカヂアスターゼは、15日に新たに登録される25件のうちの一つに選ばれた。高峰博士が1894年に麹(こうじ)かびの研究で発見した消化酵素を商品化した胃腸薬で、強力な消化作用があり、世界各国で発売された。日本では三共商店(第一三共の前身)が発売し、夏目漱石の小説「吾輩は猫である」に登場する。現在も市販の胃腸薬に含まれている。

 博士は高岡市御馬出町に生まれ、金沢市で幼少期を過ごした。同町自治会長の八十歩(やそぶ)博康さん(66)は「地元の偉人であり、登録は喜ばしい」と語る。市内の企業や生家周辺の自治会などでつくる高峰譲吉博士顕彰会(川村人志会長)は毎年、生家跡に整備された高峰公園で生誕祭を開き、市内の小中学校で移動資料展や講演会を行っている。事務局の市教委総務課は「子どもたちに功績を知ってもらい、第2、第3の高峰博士が出てくるといい」と期待した。

 同会が所蔵するタカヂアスターゼの瓶や博士愛用の眼鏡などは、市立博物館に展示されている。

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