ギャラリートークに耳を傾け、等伯の「船子夾山図」に見入る来場者=県水墨美術館

ギャラリートークに耳を傾け、等伯の「船子夾山図」に見入る来場者=県水墨美術館

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傑作ふすま絵の魅力紹介 県水墨美術館の「雪舟から等伯へ」展

北日本新聞(2015年10月25日)

 県水墨美術館で開催中の企画展「旅に生きた水墨画の巨匠たち-雪舟から等伯へ」は24日、前期展最終日が翌日に迫り、大勢の美術ファンが訪れた。ギャラリートークもあり、担当学芸員が前期展のみに展示される桃山時代の絵師、長谷川等伯筆の重要文化財「船子夾山図(せんすかっさんず)」の魅力を紹介。来場者は日本の美術史に名を残した絵師の傑作にじっくりと見入った。

 ギャラリートークでは、中川美彩緒(みさお)学芸課長が、能登に生まれた等伯が絵仏師として経験を積んだ後、京都で絵師として活躍した生涯を振り返った。

 展示替えが迫っている「船子夾山図」は、等伯が「雪舟五代」を名乗った後に描いた晩年のふすま絵で、禅宗祖師の故事を絵画化していることを説明。情に満ちた僧侶の表情や、ダイナミックに横へと伸びる樹木の描き方などに触れ「雪舟に通じる力強くリズミカルな表現が生きている」と話した。

 富山市太郎丸のアルバイト、木村州平さん(28)は「等伯の天才ぶりに加え、雪舟のエッセンスもにじむ作品。展示替え前に鑑賞できて良かった」と声を弾ませた。

 中川課長は、この日初めてお目見えした作品についても解説した。雪舟が中国で見た人々や動物などを描いた「国々人物(くにぐにじんぶつ)図巻」については、「中国の見聞録といえる」と紹介。会えるはずもない皇帝の姿をモチーフにしていることや、画面中の登場人物の大きさがそろっていることを指摘し「現地の資料も参考にし、日本に帰ってきてからまとめて描いたのではないか」という見方を示した。

 富山国際大付属高3年の熊本圭吾君(17)は「中国の時代劇の登場人物みたいで面白い」と笑顔を見せた。

 企画展は、室町時代に活躍した雪舟を軸に、その流れをくむ絵師らの作品がそろう。26日の休館日に「船子夾山図」を含む10点を入れ替える。

 同美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会が主催。11月8日まで。

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