佐久穂町の茂来館で展示されている紙芝居

佐久穂町の茂来館で展示されている紙芝居

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戦時の空気、紙芝居通し考える 旧大日向村の作品も

信濃毎日新聞(2016年2月11日)

 佐久穂町の町生涯学習館「花の郷・茂来館(もらいかん)」で、戦時中に作られた紙芝居を集めた「戦争と紙芝居展」が開かれている。戦場や戦争中の暮らしなどを扱った紙芝居を通じて、当時の時代について考えてもらおうと企画。国内で初めて分村して満州(現中国東北部)に移民した同町の旧大日向村を描いた紙芝居も展示されている。

 町公民館と町図書館の主催。1937(昭和12)~45年に製作された紙芝居54作品を展示した。スズメの家族が戦争に協力する内容や、出征した兵士と家族を描いた作品などが並ぶ。子どもの文化研究所(東京)が作品を貸し出した。

 大日向村を描いた紙芝居は、作家和田伝(つとう)(1900〜85年)が39年に書いた小説「大日向村」を基にした。この小説は、国の満州政策の推進に影響を与えたとされる作品で、当時の農村の雰囲気や分村移民までのやりとりが記されている。紙芝居は、立命館大国際平和ミュージアム(京都市)の所蔵品を複写した。

 同図書館司書の大工原千恵さん(63)によると、戦争をテーマにした紙芝居は戦時中多く作られ、隣組などでも読まれたが、戦後に焼却されることも多かったという。大工原さんは「当時の時代の雰囲気を感じて、考えるきっかけにしてほしい」と話す。

 同展は21日まで(15日は休館)。20日午後2時と21日午後1時から、紙芝居の実演などがある。入場無料。問い合わせは、町公民館(電話0267・86・2041)へ。

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