リーフレットを披露する「ひみ凰の会」の会員ら

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県境越え広がる交流 七尾氷見道路全線開通1年

北日本新聞(2016年2月27日)

 能越自動車道七尾氷見道路が全線開通し、28日で1年を迎える。北陸新幹線との相乗効果により、県西部や能登半島一帯の広域圏形成を促進。氷見市は隣接する石川県七尾市と観光、商工の分野で新たに連携が生まれた。観光リーフレットを作ったり、イベントを共同企画したりと県境を越えた交流が広がっている。

 七尾氷見道路は氷見-七尾インターチェンジ(IC)間の28・1キロ。国土交通省富山河川国道事務所が昨夏に行った調査では、開通効果で県境の交通量は48%増えた。

 ひみ番屋街は新幹線との相乗効果で、2015年度の観光バスの入り込み数は前年同期比20%アップした。高岡-和倉温泉(七尾市)間を行き来する団体客が多く、石川県内からの団体客数は16%増えた。運営する氷見まちづくりの尾町和広執行役員事業部長は、計画を組む旅行会社にとって全線開通は心理的効果が大きいとし「立ち寄る意識が強くなった」と言う。

 氷見市観光協会の女性会員でつくる「ひみ凰の会」(谷内和子会長)は昨春、七尾市の一本杉通り振興会(鳥居正子会長)と交流を始め、互いの行事に参加。26日は開通1年の節目を前に、氷見市のひみ漁業交流館魚々座(ととざ)に両会員が集い、連携強化を確認した。

 国の半島振興連携促進調査事業の一環で昨秋に作ったリーフレットも披露した。両市の回遊性を高めることを目的にワークショップを行い、四つ折りB4判の「感じる氷見」「おいしく泊まる氷見」「ものづくり一本杉通り」の3種類を各1万部作成。谷内会長は「七尾でものづくり、氷見で食事や宿泊を楽しんでもらいたい」と語り、鳥居会長は「交流してみて氷見がこんなに近いのだと感じた。もっと輪が広がっていく」とした。

 28日は氷見、七尾両商工会議所が開通1年を記念し、七尾市の能登食祭市場で「能越道交流会議」を開き、谷内会長らが開通効果を語り合う。

 両商議所は広域連携を目指して昨年11月に懇談会をつくり、第2回交流会議は年内に氷見市で開催する予定。氷見商議所の寺下利宏会頭は両市を走る観光列車を組み合わせた企画の考案などを例に挙げ「七尾との関係を密にし、能登半島全体に広げていければいい」と語る。氷見、七尾の連携を足掛かりに県境の"壁"を崩し、県西部や能登半島にある能越道沿線都市間の一層の交流促進が期待される。

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