高岡市内の交通事業、宿泊施設、観光ボランティアの関係者を対象にした「ものづくりの技 体感ツアー」が23日、市内で行われた。参加者が工場見学や鋳物体験を通じて、伝統産業を生かした観光振興について考えた。
観光客と接する機会が多い市民に、高岡銅器の魅力を再認識してもらおうと市が企画した。約40人が2組に分かれ、スズ素材の製品で知られる鋳物メーカーの能作(高岡市戸出栄町)を訪れた。
溶かした金属を鋳型に流し込む鋳物場、鋳物の原型を保管する倉庫、金属の表面を整える仕上げ場の順に見学。案内役の従業員から231度で溶け出すスズの融点や、金属本来の色味や質感を生かす商品開発の姿勢について説明を受けた。
観光ボランティアグループ「やまたちばな」の白井悦子さん(66)=同市木津=は「観光客は高岡ならではの土産物を求めている。職人の仕事ぶりを伝え、高岡銅器をPRしたい」と話した。
希望者は高岡地域地場産業センター(同市開発本町)で、スズのぐい飲み作りを体験した。