重要文化財など刀剣の名品を観賞する来場者=森記念秋水美術館

重要文化財など刀剣の名品を観賞する来場者=森記念秋水美術館

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森記念秋水美術館オープン 日本の美 刀で発信

北日本新聞(2016年6月12日)

  刀剣を専門にした全国的にも珍しい美術館「森記念秋水(しゅうすい)美術館」が11日、富山市千石町に開館し、所蔵名品刀展「秋水の美」と、開館記念特別展「細川護煕(もりひろ)の美と永青文庫の至宝」が始まった。首都圏や関西、四国など、全国から大勢のファンが足を運び、日本ならではの美を発信する富山の新たなアートスポットを体感した。

 美術館は4階建て延べ床面積2100平方メートル。製薬会社のリードケミカル(富山市日俣、森政雄社長)が国道41号沿いに開設。外観はかぶとや甲冑(かっちゅう)をイメージしている。収集した刀剣約200点を軸に、日本の近代美術史を代表する画家の作品や中国の陶芸などを紹介する。

 開館記念式典では、館長を務める森社長が「世界に冠たる刀が集まった。街中の活性化にも貢献したい」とあいさつ。元首相で永青文庫理事長の細川護煕さん、高村正彦自民党副総裁、石井隆一知事、森雅志富山市長、高木繁雄富山商工会議所会頭、中井敏郎県薬業連合会長、日本美術刀剣保存協会の小野裕会長、千石町町内会の河本隆会長が加わり、テープカットした。

 名品刀展は名匠・正宗や虎徹(こてつ)が作った国重要文化財の刀剣とともに、俳優の故菅原文太さんが寄贈した短刀など31点を展示。式典に出席した菅原さんの妻、文子さんは「文太の名前と一緒に飾ってもらえてうれしい」と喜んだ。富山市ガラス美術館の渋谷良治館長は「富山にまた個性的な美術館が増えた。一体となってアートの街をPRしたい」と話した。

 特別展は森社長と交流が深い細川さんの茶わんや書と、肥後の大名、細川家の文化財を保存する永青文庫の陶器など秘蔵品を並べた。9月4日まで前後期に分けて開く。会場では、細川さんが急きょマイクを手に「陶芸は火や土など自然の力を凝縮している」と作品解説した。

 富山第一ホテルでは記念祝賀会も開かれ、宮腰光寛衆院議員ら県在住国会議員、経済界や美術の関係者、板倉北日本新聞社長ら約270人が出席。リードケミカルの森吉明専務がお礼の言葉を述べた。

 月曜休館。入館料は一般千円、高校生500円、中学生以下無料。問い合わせは森記念秋水美術館、電話076(425)5700。

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