青木さんが大賞を受賞した「土の種子」=福井県越前町小曽原の県陶芸館

青木さんが大賞を受賞した「土の種子」=福井県越前町小曽原の県陶芸館

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陶芸全国公募展の最高賞作品を披露 県陶芸館

福井新聞(2016年6月19日)

 全国規模の陶芸コンクール「長三(ちょうざ)賞常滑陶芸展」で昨年度、最高賞の大賞に輝いた陶芸家青木宏さん(40)=福井県越前町=の作品が、同町小曽原の県陶芸館ロビーで展示されている。3年かけて仕上げ、青木さんの好きな質感や形などを凝縮した労作が見られる。7月3日まで。

 同コンクールは、愛知県常滑市が1972年に創設した全国公募展。2年に1度開かれており、伝統、自由造形の2部門がある。昨年度は全国から226人248点の応募があり、84人が入選した。青木さんは自由造形部門で初出品し、長三大賞に輝いた。

 青木さんの作品は高さ64センチ、幅53センチ、奥行き50センチ。縦に長いハート形で、上部にある小さなハート形の穴から波が広がるようにひだが刻まれている。重量感はあるが、緩やかな曲線のフォームや土の質感が温かな雰囲気を醸し出している。ハート形は命の根源を表しており、作品名も「何かが生まれる形」の象徴として、「土の種子」と名付けた。

 青木さんは全国各地で修業を積み、2009年から同町に定住。造形作品は町の豊かな自然に着想を得ており、「海岸で拾った貝殻や道ばたに落ちていた木の実、木々の葉っぱなど全てがイメージの蓄積になっている」と話す。

 長年、自由造形に取り組んできたが、「自分に才能があるのかとずっと迷っていた」と苦悩を抱えていた。今回の受賞は自信につながったといい、次回作は「よりシンプルで自然に近づけるものを作りたい」と意気込んでいる。

 展示では、ほかにも未公開の造形作品5点を並べている。

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