タヌキをかたどった置物に見入る関係者=加賀市美術館

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幻の「鉄打出」一堂に 山田宗美没後100年展、9日から加賀市美術館

北國新聞(2016年7月9日)

 加賀市大聖寺鍛冶(かじ)町出身の工芸家山田宗美(そうび)(1871~1916)の没後100年を記念した「鉄に生命(いのち)を吹き込んだ男―鉄打出(てつうちだし)の名工・山田宗美展」(北國新聞社など後援)は9日、市美術館で始まる。8日は内覧会が開かれ、精巧な置物など100点が並び、関係者が郷土の作家を振り返った。
 山田は刀剣鍛冶の家に生まれ、熱した薄い鉄板を金鎚(かなづち)でたたいて形作る「鉄打出」の技法で優れた作品を創作した。日本美術展覧会などで受賞し、最高の栄誉とされた「帝室技芸員」に内定したが、発表直前の46歳で急逝した。
 今回は1900年のパリ万博の出品作で実業家澁澤榮一が購入し、知人に贈った「狸(たぬき)置物」をはじめ、日英博覧会で名誉大賞を受けた傑作で、高さ約120センチと大型の県指定有形文化財「狛犬(こまいぬ)大置物」、香合や香炉など精緻な模様が施された秀作を集めた。
 父宗光や弟子の黒瀬宗世らの作品も展示した。9日は富大大学院教授の大熊敏之氏のギャラリートークが行われる。9月4日まで。テレビ金沢、北陸放送、エフエム石川、加賀ケーブルテレビも後援する。

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