歌舞伎や雅楽を題材にした作品を鑑賞する来場者=高岡市美術館

歌舞伎や雅楽を題材にした作品を鑑賞する来場者=高岡市美術館

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多彩な造形美の世界 村上炳人展始まる、高岡市美術館

北日本新聞(2016年7月16日)

 高岡市佐野出身の彫刻家、故村上炳人(へいじん)さん(1916~97年)の作品を集めた企画展「生誕100年 村上炳人展-造形を詩(うた)う」の一般公開が15日、高岡市美術館で始まり、来場者が具象と抽象を往来した創作活動の歩みをたどりながら、バラエティーに富んだ造形美の世界を堪能した。8月28日まで。

 村上さんは県立工芸学校(現高岡工芸高校)卒業後に上京し、37年の日本美術院展で初入選した。59年の二紀会所属後は作風が具象から抽象に変わり、晩年は再び具象に回帰した。「作品にはポエジーがなくてはいけない」と、目に見えない"人間の心"の造形化を追求した。

 展覧会では初期の作品から遺作まで70点を展示。モチーフの多彩さに加え、素材も木やブロンズなど多岐にわたる。村上さんの作品を初めて見たという砺波市一番町、無職、鍋澤征男さん(74)は「彫刻は難しそうなイメージだったが、どの作品も分かりやすい。特に日本文化をテーマにしたものが良かった」と話した。

 23日と8月6日は学芸員によるギャラリートーク、同月12日は村上さんの野外作品「ムッちゃん平和像」に関連した映画「ムッちゃんの詩」の上映がある。

 市美術館、北日本新聞社主催。

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