幅17メートルの巨大な引幕に見入る美術ファンたち=県水墨美術館

幅17メートルの巨大な引幕に見入る美術ファンたち=県水墨美術館

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巨大引幕にファン続々 「鬼才-河鍋暁斎展」

北日本新聞(2016年8月7日)

 閉幕を7日に控えた県水墨美術館で開催中の企画展「鬼才-河鍋暁斎(きょうさい)展 幕末と明治を生きた絵師」は6日、時代のはざまを駆け抜けた奇想の画家の代表作をひと目見ようと大勢の人が訪れた。スピード感あふれる墨線が躍る幅17メートルの大作「新富座妖怪引幕(しんとみざようかいひきまく)」の前には人垣ができ、会場は終日熱気に包まれた。

 河鍋暁斎は江戸末期から明治にかけて活躍した絵師。歌川国芳や狩野派に学び、卓越した画技とユーモアあふれる発想で知られる。美人画や戯画、風俗画など多彩なジャンルの作品を多く残し、近年国内外で評価が高まっている。会場には、引幕を中心とした暁斎の肉筆画に加え、浮世絵やデザインを手掛けた工芸品など61点が並ぶ。

 この日は閉幕まで残すところ1日とあって朝から続々と美術ファンが来場。急きょ行われたギャラリートークでは、桐井昇子主任学芸員が企画展の目玉である巨大な引幕を中心に解説した。

 明治の戯作者、仮名垣魯文(かながきろぶん)の依頼を受けて描いたという由来や、大勢の人が見守る中で酒を飲みつつ4時間で仕上げたというエピソードを紹介。「綿密な構想や下絵はあったかもしれないが、この大きな画面をコントロールできるのは天性の絵師だから」と説明した。力強く大胆な作品だけでなく、小さな細密画も描ける多彩さも強調した。

 引幕見たさに再び訪れたという高岡市金屋の会社員、市井悦夫さん(63)は「ぜひもう1回見たかった。この迫力に圧倒される」とじっくりと鑑賞した。同市立野の会社員、大谷育子さん(25)は「東京の暁斎展に行ったが、富山でも開催されてうれしい。会期が終わる前に来られて良かった」と笑顔を見せた。

 県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、河鍋暁斎記念美術館主催。

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