下伊那郡大鹿村大河原の布工房「大鹿さくら組」が、来年のえと「酉(とり)」にちなんでデザインした手拭いの展示販売会を、飯田市のパン店「玄パン工房バオバブ」で開いている。大鹿さくら組店主の東村邦子さん(67)が「新年を、一番鶏の鳴き声のように『けっこー』な年にしてほしい」と願いを込めて制作した。
縦1メートル、横36センチの布の中央部分には風見鶏、鳥居、初日の出などを格子模様に配置。全体的に直線的な図柄に対して丸みを帯びた字体が印象的な「酉」の字は、鶏のとさかをイメージして村内の書家がしたためた。染めは「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる伝統的な手染めの技法で浜松市の職人が手掛け、鮮やかな青と赤のコントラストと相まって「和風モダン」(東村さん)な仕上がりになっている。
えとの手拭いは毎年制作しており、今回で9作目。東村さんは「えとシリーズを完成させるまで頑張りたい」と話している。
1点1200円。展示販売会は年内が28日までで、年明けは1月4〜11日の午前10時〜午後4時。鶏をモチーフにした鍋つかみや他のえとの手拭いもあり、今年からインターネットによる販売もしている。注文は大鹿さくら組(電話0265・39・1012)へ。