昨年夏に公開され記録的なヒットとなったアニメ映画「君の名は。」の新海誠監督の絵コンテや映像を集めた「新海誠展―『ほしのこえ』から『君の名は。』まで―」が2日、故郷の南佐久郡小海町の町高原美術館で始まる。新海監督のデビュー15周年を記念した展覧会だ。
新海監督は2002年に短編「ほしのこえ」で商業デビュー。その後も「雲のむこう、約束の場所」や「秒速5センチメートル」といった作品で、人との出会いやすれ違い、揺れ動く心情を、美しい風景描写とともに描いてきた。
会場には「ほしのこえ」「君の名は。」など代表6作品の原画や絵コンテが並ぶ。主人公が住む町に小海町の風景が使われた「星を追う子ども」のコーナーには、実際に監督らが町内で撮影した路地裏や鉄橋といった写真とともに、その場所を描いたシーンのカット絵が展示されている。「言(こと)の葉の庭」の主人公が思いを寄せる女性に作った靴も、制作時に参考資料として作った実物が置かれている。
名取淳一館長は「多くの人に小海町に来てもらい、新海監督が見て、感じて、表現している原点と空気感を共有してほしい」と話した。
町高原美術館や信濃毎日新聞社などの主催。10月29日までの午前9時〜午後5時。期間中無休。高校生以上500円、小中学生150円。