神戸市に巨大クリスマスツリーを立て、阪神大震災からの復興や再生のシンボルにしようとのプロジェクトで、氷見市から運ばれた高さ約30メートルのアスナロの巨木が17日、展示場所である神戸港のメリケンパークに立てられた。鉄製の大きな鉢に据え付けられると、見守った人たちから拍手が上がった。
アスナロの木は10月20日に同市一刎(ひとはね)で掘り出された。今月9日、トレーラーで高岡市の伏木港に運ばれ、船に積み込まれた。1100キロ以上を移動し、13日に神戸港のポートアイランドに到着し、運搬のために折り曲げた枝を広げる準備作業をしていた。
メリケンパークに船で移され、クレーンで陸揚げ。午前9時半ごろ八角形の鉢に入った。プロジェクトを呼び掛けた、各地で植物を集める「プラントハンター」の西畠清順さんは、氷見市で掘り出してからの経緯を振り返り「無事に到着して安心している。植物は遠くに行くこと、旅をすることを本能としている。アスナロの木は喜んでいると思う」と満足そうな様子だった。
プロジェクトは、クリスマスシーズンに世界的な注目を集める米ニューヨーク、ロックフェラーセンターのツリーを超える高さ世界一を目指す。12月2日から26日まで点灯される。