昭和天皇が宿泊した加賀市山中温泉南町の旧よしのや依緑園別荘を公開する「遺(のこ)してゆくもの、新しきもの」(北國新聞社後援)は22日始まった。1947(昭和22)年の宿泊時に昭和天皇が使った食器やいす、幻の壁紙とされる「金(きん)唐革紙(からかわがみ)」が当時のまま残り、観光客や市民らが格調高い空間で当時に思いをはせた。
公開イベントは昨年に続き2回目で、昭和天皇が泊まった御幸(みゆき)の間、吉田茂が当時首相の池田勇人の後任に佐藤栄作を指名した「山中会談」の舞台となった洋室なども開放された。
地元の料理人が開発した「ウナギまんじゅう」や山中芸妓(げいぎ)をイメージしたオリジナルカクテルなど新しい山中グルメが提供されたほか、山中木製漆器協同組合による山中漆器の展示会や日本酒の試飲会も人気を集めた。23日まで。