陣立書の前で解説書を手にする埴生宮司(右)と高岡さん=埴生護国八幡宮宝物殿

陣立書の前で解説書を手にする埴生宮司(右)と高岡さん=埴生護国八幡宮宝物殿

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秀吉の「陣立書」解説書出来 小矢部・埴生八幡宮

北日本新聞(2017年12月8日)

 小矢部市の埴生護国八幡宮は宝物殿に所蔵する県指定文化財の古文書「天正十二年 羽柴秀吉(陣立(じんだて)書」の解説書を作った。陣立書には秀吉と織田信雄・徳川家康の間で行われた小牧・長久手の戦い(1584年)で秀吉方の軍の配置が記してあるが一般の人は判読が難しかった。解説書では名前を連ねる武将や兵力について説明し、史料の価値を伝えている。7日は奉賛会役員らに披露した。

 城郭・戦国時代史研究者の高岡徹さん(富山市)が依頼を受けまとめた。陣立書には高山右近や黒田官兵衛、加藤虎助(清正)ら79人の武将と兵数が記されている。高岡さんによると、秀吉が覇権を確立する過程を示す貴重な史料だが県史資料編にも掲載されておらず、これまで光が当てられていなかったという。

 解説書では陣順に武将と略歴、兵力を一覧表にまとめ、秀吉の配置・展開が把握できるようにした。巻末には原本に忠実な形で印刷した「陣立書」をとじた。

 陣立書について、高岡さんは前田家に贈られたものの一つが前田家と縁が深い埴生護国八幡宮に奉納されたものだろうと推測。「小牧・長久手の戦いは秀吉が上り詰める大事なワンステップだった。越中とも関わっていたと知ってもらえる史料だ」と言う。埴生雅章宮司は「念願の分かりやすい解説書ができ、これを機会に陣立書のことを広く知ってもらいたい」と話している。B5判16ページ、500部刷った。300円で販売する。

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