砺波市東保の「宮崎ぶどう園」は今夏、敷地内にカフェを併設した新たな直売所をオープンする。収量の増加に対応するため直売所スペースを現在の2.5倍に拡大し、搾りたてのジュースやスムージーなどを販売する予定だ。高級品種を中心に完熟ブドウを提供する直販にこだわり、同園は「より多くのお客さんに、おいしく安全・安心なブドウを届けたい」と準備を進めている。
宮崎ぶどう園は1982年に開業。1・6ヘクタールで30品種を栽培し、年間約20トンを生産している。砺波市の「となみブランド」に認定され、贈答用として人気が高い。
ハウス栽培が8割で減農薬のブドウを生産。皮ごと食べられる種なしのシャインマスカットや瀬戸ジャイアンツ、紅(べに)環(たまき)などが売れ筋品種だ。
9年前に20アール増やしたハウス栽培のブドウが本格的に収穫できるようになり、収量が増えて売り場や保管スペースが不足したため、直売所をリニューアルする。さらに、味は良くても形の悪い「規格外ブドウ」は廃棄してきたが、粒単位では一級品と変わらないため、ジュースなどに有効活用することにした。
直売所は鉄骨2階建て延べ床面積430平方メートルで、8月中旬のオープンを目指す。カフェは9月に開設し、当面は週末のみ営業する予定だ。将来は飲食店や農家と連携し、軽食やこだわりの地場産野菜などの販売も計画している。
園主の宮崎雄介さん(35)は「これまで利用することのなかった若い人たちにも来てもらいたい。新たな取り組みで農業の可能性を広げたい」と話している。