スゲの帽子を手にほほ笑む福田さん(左)と茂古沼さん=さんちょんぴん蔵

スゲの帽子を手にほほ笑む福田さん(左)と茂古沼さん=さんちょんぴん蔵

富山県 高岡・氷見・射水 特産

スゲ編み込み帽子製作 「福岡の菅笠」講座の2人

北日本新聞(2018年1月26日)

 高岡市の「越中福岡の菅笠(すげがさ)製作技術保存会」が開いている後継者育成講座の生徒2人が、スゲを編み込んで帽子を製作している。城山孝会長(83)は「地域で育まれてきた伝統の維持につながればうれしい」と話している。

 帽子を作っているのは、高岡市野村の茂古沼(もこで)真知子さん(61)と富山市婦中町希望ケ丘の福田恵子さん(60)で、ともに4年前から後継者育成講座で笠縫いを習っている。これまでにハットやハンチングなど10種類を製作した。スゲ自体に撥水(はっすい)性があるため雨に強いのが特徴。通気性にも優れているため、夏でも快適に過ごせるという。

 高岡市福岡町福岡の観光交流施設「さんちょんぴん蔵(くら)」で販売しているほか、友人から注文を受け、オーダーメードで仕上げることもある。2人は「歴史ある菅笠作りに携わることができるのが喜び。福岡地域の活性化に貢献したい」と言う。

 福岡地域の菅笠は昨年11月に国の伝統的工芸品に指定された。関係者は菅笠製作を産業として成り立たせようと知恵を絞っている。越中福岡の菅笠振興会の高田哲会長(72)は「新商品を開発する人が増え、スゲの可能性をどんどん広げてほしい」と語った。

 講座は2014年から高岡市役所福岡庁舎で開かれており、笠縫いと笠骨づくりの2コースがある。本年度は両コース合わせて46人が登録。旧福岡町以外の高岡市や砺波市、富山市などからの参加が多いという。

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