ツアー客向けに行われた絵解き説教=井波別院瑞泉寺

ツアー客向けに行われた絵解き説教=井波別院瑞泉寺

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太子信仰の井波アピール 瑞泉寺、ツアー客に絵解き説教

北日本新聞(2018年2月27日)

 南砺市の井波別院瑞泉寺の伝統行事「太子伝会(たいしでんえ)」でおなじみの聖徳太子の絵解き説教が26日、同寺を訪ねたツアー客向けに披露された。JR西日本と日本旅行(東京)の共同企画に、同市観光協会(川合声一会長)の仲立ちで寺側が協力する形で実現。今後の誘客に期待を込め、聖徳太子への信仰心が根付く井波の風土をアピールした。

 北陸の冬を満喫できるツアーとして、南砺市井波地域や金沢市を巡る2日間の日程で企画。2月中に9回行われ、26日は関東、関西両方面から36人が参加した。

 瑞泉寺では、常本哲生輪番らが本願寺第5代、綽如(しゃくにょ)上人が同寺を開いた経緯と、聖徳太子の一生を描いた絵伝を朝廷から贈られ、受け継いできた歴史と共に、浄土真宗と聖徳太子とのつながりを説明した。

 7月21~29日の太子伝会での絵解き説教は本堂隣の太子堂で行われるが、この日は「虎の間」に8幅の絵伝を並べて実施。担当した竹部俊惠妙蓮寺住職は、十七条憲法制定や蘇我、物部氏の戦いなどの場面を示した上で、独特の節回しを交えながら説教を披露。太子の生きざまを通じて、真実の道を歩むことを説く仏教の神髄を述べた。常本輪番らは太子伝会への来訪を呼び掛けていた。

 ツアー客は説教の後、絵伝に近づき、興味深そうに眺めていた。歴史に関心を持ち、さいたま市から参加した波間庸光さん(73)は「真宗と聖徳太子との関わりが分かり、興味深かった」と話していた。

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