辰野町産のリンゴを原料にした発泡酒のシードルが完成し、17日夜、町内で町民ら約50人にお披露目された。町が事業者とつくる「食の革命プロジェクト」と酒店、リンゴ生産者が協力して商品化。町名の「辰」から「ドラゴン・シードル」と命名した。関係者は「みんなの思いが形になった」と完成を喜んだ。
シードル造りは、酒などを扱う同町宮木の喜久屋商店の平島久さん(57)が、同町北大出の野沢フルーツ農園の野沢好宏さん(37)と4、5年前から構想。平島さんが昨年5月、店で商品を扱う伊那市横山のカモシカシードル醸造所所長の入倉浩平さん(38)に提案した。同プロジェクトに参加する馬渕泰太郎さん(69)も加わり、事業が動きだした。
リンゴは「つがる」や「ふじ」など7種類を使用。華やかな香りを出すため、洋梨も加えた。リンゴは鮮度を保ちつつ保存できる冷蔵庫で熟成させた。約640キロを仕込み、甘口と辛口のシードル計570本(1本750ミリリットル入り)が出来上がった。
試飲した平島さんは「1人、2人では商品化できなかった。こくがありおいしく仕上がった」。野沢さんは「道筋ができたので町内の他の農家にも協力を呼び掛けたい」と意気込んでいた。
1本2千円(税別)。18日から喜久屋商店や町内のコンビニエンスストアなどで販売を始めた。問い合わせは同商店(電話0266・41・0052)へ。