ろうそくの明かりの中で奉納された能=瑞龍寺

ろうそくの明かりの中で奉納された能=瑞龍寺

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利長しのび幽玄の舞 高岡・瑞龍寺で燭光能奉納

北日本新聞(2018年5月21日)

 高岡開町の祖で加賀藩2代藩主の前田利長をしのぶ「利長忌」は20日、利長の菩提(ぼだい)寺の国宝瑞龍寺(高岡市関本町)で行われ、「燭光能(しょっこうのう)」が奉納された。利長の位牌(いはい)が置かれた法堂(はっとう)で、ろうそくの明かりが揺らめく中、参拝者らが幽玄の世界を堪能した。

 追善法要に続いて、燭光能では初の演目「阿漕(あこぎ)」が披露された。禁漁を破った罰として海に沈められた漁師、阿漕の亡霊が旅僧の前に現れ、自らの苦しみを伝える物語。

 シテを大坪喜美雄師(国重要無形文化財保持者・総合指定、能楽協会東京支部)、ワキを苗加登久治師(同、金沢能楽会)が務め、太鼓で徳田宗久師(同、能楽協会東京支部)=高岡市出身、地頭で金森秀祥師(同、同)=同市出身=が出演した。死後も苦しむ阿漕を緩急鋭い謡いやはやし、亡霊の動きで表現した。

 初めて鑑賞した小矢部市経田の脇坂清志さん(66)は「ろうそくで面などが妖しく照らされ、独特の雰囲気を味わうことができた」と話した。

 奉納後、市民コーラスグループ「ながれ雲を歌う会」(花田喜代美代表)のメンバー約20人が瑞龍寺讃歌「ながれ雲」などを合唱した。

 燭光能は3代藩主の利常が利長の33回忌に行ったのが始まりとされている。1984年に国宝瑞龍寺保存会が利長忌を始めてから毎年、高岡能楽会の協力で奉納している。

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