金沢育ちの世界的化学者、高峰譲吉博士ゆかりの桜が柴山潟(加賀市)の湖畔で63輪の花を咲かせた。植樹5年目で初めての本格的な開花に、関係者が喜んでいる。
高峰桜は高峰博士の尽力で米・ワシントンに贈られた桜の子孫を日本に帰す「ワシントンの桜・里帰り事業」の一環で、2013年に「中谷宇吉郎雪の科学館」近くの柴山潟沿いに苗木が植樹された。
地元のまちづくり団体「I Love加賀ネット」が草刈りをしたり、肥料をまいたりして管理を担ってきた。高さ1・7メートルまで成長したが、開花は植樹1年目と3年目がゼロ、2年目は19輪、4年目は5輪にとどまっていた。
潟から吹き寄せる強風や土壌の養分が潟に流れ出していることなどが成長に悪影響を及ぼしていたとみられ、地元の建設会社が浸水対策工事などを行った。
高峰桜の世話をしている自営業山崎英樹さん(52)=加賀市塩浜町=は「これまでほとんど咲かなかった。今までで最高の花をつけてくれた」と話した。