福井県越前市白山地区で11月28日、国の特別天然記念物コウノトリの新たな飛来と定着を願い、人工巣塔が設置された。今年6月には地区内の別の人工巣塔でひなが巣立っており、住民らは「新しい巣塔でも卵を産み、巣立ちまで迎えてほしい」と期待している。
1970年に白山・坂口地区にくちばしの折れたコウノトリ「コウちゃん」が飛来してから50年を迎えたのを記念し、コウノトリをシンボルに地域づくりに取り組む「水辺と生き物を守る農家と市民の会」(水辺の会)が整備した。
同市菖蒲谷町のコウノトリ第2ケージ近くで、支柱の高さ約8メートル、八角形の巣台は直径約1・6メートル。市内の人工巣塔は8基目で、費用は約38万円。
この日は水辺の会の恒本明勇会長ら同会メンバーのほか、8月に支柱のヒノキ材の皮はぎを手伝った武生東高生らが作業を見守り、完成を祝った。