3年ぶりのでか山巡行に多くの人が訪れた青柏祭=3日午後8時40分、七尾市鍛冶町

3年ぶりのでか山巡行に多くの人が訪れた青柏祭=3日午後8時40分、七尾市鍛冶町

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でか山、動いてこそ まちなか久々の熱気 七尾で青柏祭開幕

北國新聞(2022年5月4日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された曳山(ひきやま)行事で知られる七尾市の祭礼「青柏祭」が開幕し、3年ぶりに日本一の大きさを誇る山(だ)車(し)「でか山」が市中心部を豪快に巡行した。若衆の威勢のよい「ワッショイ」の掛け声とともに高さ12メートル、重さ約20トンの巨体が民家の軒先をかすめながら進むと、見守った地元住民や観光客から歓声が上がり、久しぶりの祭りの熱気がまちを包んだ。

 でか山を運行する三つの山町の先陣を切って、鍛冶町の「宵山(よいやま)」で幕を開けた。午後8時半過ぎ、木(き)遣(や)り衆の「曳(ひ)き出し唄」を合図に若衆らが綱を引くと、「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 床下の場」の歌舞伎人形や、色鮮やかな幕で飾られたでか山が一気に進み出した。

 鍛冶町の髙木純二総代(64)は「まずは鍛冶町が巡行を成功させないと祭りが始まらないという気概だ」と力を込めた。東京から訪れた会社員加納由樹さん(45)は、狭い路地を進むでか山を追いかけ「揺れながら進む姿はすごい迫力」と興奮した様子で話した。

 今回のでか山巡行は、感染防止のため、先導役が拡声器を使うなどして大声を出すことを禁止。御祓川大通り沿いの泰平橋と長生橋に設置される観客席は取りやめ、引き手は関係者に限定する。

 例年10万人以上が訪れる能登を代表する祭礼も、一昨年は中止、昨年は府中町のみがでか山を組み立てて展示した。青柏祭でか山保存会の中村巧会長(77)は「動いてこそでか山。皆さんにその姿を披露できてうれしい」と笑顔を見せた。

 4日午前1時からは府中町の「朝山」、同8時から魚町の「本山」の巡行が始まる。午後0時半ごろ、山王町の大地主(おおとこぬし)神社に3基のでか山がそろい、神事が営まれる。5日は巡行ルートを短縮する。

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