「乳白色の下地」の裸婦像で知られる画家、藤田嗣治(つぐはる)(1886~1968年)の作品を集めた展覧会「レオナール・フジタ パリからの贈り物」が8日、富山市の秋水美術館で開幕した。来場者はフランス・パリで活躍した洋画家の歩みをじっくりとたどった。5月14日まで。
藤田は日本に生まれながら生涯の半分をフランスで過ごし、ピカソやモディリアニ、シャガールら同時代の画家たちに刺激を受けながら作風を深めた。
開館以来初めて2、3階の全展示室を使い、初公開となる「公園の少女」をはじめ、県美術館が所蔵する乳白色の肌が特徴の大作「二人の裸婦」、幅広い創作を伝える挿絵本など34点を紹介。40代から70代に至るまでの流れを展望することができる。
交流のあったピカソやキスリングらの油彩画も併せて展示している。
同館の浅地豊館長は「作品からは、戦争に翻弄(ほんろう)された画家の平和を願う気持ちが伝わってくる」と語った。月、火曜休館。北日本新聞社共催。